「こ、このっ!」

大形さんは、右手に力を込める。

「そんなこと言っている暇あったら、奈津に告白すれば良いじゃない。奈津今フリーなんだから」

「あなたには、関係のないことです!」

私の言うことに腹が立ったのか、大形さんは力を込めた右拳で私の顔を思いっきり殴った。

「っ!」

私は、そのまま地面に転んだ。

「こ、小姫、やり過ぎだよ!」

「いえ、この女にはここまでしないと分かりません。今までの子とは、大分違いますから」

頬がじんじんするくらい、強い力で殴られたのだろう。

でも、もう殴られることなんて馴れてる。

今更殴られたって、そんなに痛くない。

「じゃあ、今まで奈津に告白して子たちを、今の感じで脅していたんだね」

殴られた頬を手で抑えながら、大形さんに確認を取るように言う。

「本当にうるさい女ですね。殴ってもまだ分からないようなら、もう少し痛めつけた方がいいかしら」

大形さんは、脅すように目を細めて言う。

でも、私にとってそんなの脅しの内に入らなかった。

ただ、挑発されているように取れた。

「どうぞご自由に、気が済むまでやれば?」