「こんなに震えているってことは、もっと辛いことがあったんじゃないのか?」

「うっ!」

小早川君の言葉を聞いて、熱かった頬の熱がどんどん引いていくのを感じた。

もしかして、小早川君に気づかれた?

「今は話してくれなくてもいい。莎々原が話そうと思ってくれた時に、話してくれれば良いよ。俺は、いつでも力になるから」

小早川君は、私の目を見てそう言ってくれた。

その言葉が嬉しくて、また涙が溢れそうになった。

「なんで、こんな事を言うのか自分でも分からないけど、俺は莎々原の力になりたいんだ」

優しく微笑んでくれる小早川君の姿に私は釘付けになる。

「小早川君……。ありがとう!」

涙を拭った私は、微笑んで返した。

あなたの言葉のおかげで、私の心は少し救われた気がした。

いつか、話せる時が来たら。

その時は、小早川君に聞いてもらいたい。

あの日の出来事をーー