あれ、今普通に絵を見せちゃったんだけど!

「うわあ、凄いな!」

「えっ?」

ほ、褒めてくれた?

「特に影が木々の特徴を表してて、本物の木に見えるよ」

笑顔で言ってくれる小早川君の姿に、私の胸は高鳴った。

「あ、ありがとう!褒めてもらったの久しぶり……」

嬉しくてついそんな事を、小さく呟いてしまった。

「久しぶりに褒めてもらったのか?」

「あっ!」

久しぶりに褒めてもらったなんて言ったら、美術部でのこと聞かれちゃうかもしれないと思った。

でも、そう思っていた私だったけど。