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私が、稜とつきあいはじめたのは
高校3年のなかば。
もちろん、その噂はすぐに流れた。
稜はイケメンだから妬まれてた。
嫌がらせだって、されてた。
だけど、我慢してた。
「麻衣、好きだよ。」
って、綺麗に笑いかけてくれる
稜が、私の隣にいるのなら。
それでいいと思ってたから。

でも、あの子マキが
隠れて、手を出すようになった。
昼休みは、よく呼ばれてた。
ビンタもたくさんされたな。
身体中、蹴られたりした。
もちろん、目につかないところをね。
正直、つらかった。
陰口も、きつかったけど。
私、一回ロングの髪をボブにしたことがあったんだけど。
あれマキにやられたの。
マキが、私の髪を切ったの。
でね、
いつものように、呼び出されて
ついていって、
「早くわかれなさいよ」
って言われて。
無理って答えたら、ビンタ。
そのあと「早くわかれないと詩織にもこの痛みあじあわせるからね。」
って言われて。
正直悩んだ。じょうだんだとも思ったよ。
でも、別れる一週間まえぐらいかな
詩織が怪我してたの。
本当なんだって。
私が別れなきゃ詩織が…って。

決意したよ。
稜と別れるって。
稜は、本当のこといっても別れてくれないと思ったから。
あんな方法で、別れたの。
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