胸にスッと入り込んだ。
忘れることはできない。
忘れられない。
忘れられるわけがない。
でも、少し前を向いてみたいのは、
事実だった。

「ん。いくだけ、行ってみようかな。」
「きゃーーーー!!本当ですか?!
嬉しいっ!!!じゃあ、また後で!」

スキップしながら、校舎の中に入っていく彼女を見て。
こころが何故か、軽くなった。

[あ、詩織??]
私は、詩織に電話をかけた。
[そうだよーん、どうした??]
[私、前向いてもいいのかな。]
[…麻衣]
[わかんないよ。詩織、どうすればいいのかな。]
自然と、涙が零れてくる。
[…麻衣。私は。前、むいてほしかった。ずっと。]
[…えっ]
[もう、いいんじゃない?前、向いて。行っておいで]
詩織
は。私が合コンに行くとなぜわかったのだろう。
[…うん。]