星矢さんは自分のベッドには戻らず、あたしのベッドに潜り込んできた。
「ち、近いですっ」
「わざとやからな」
「離れてくださいっ」
「嫌やってゆーたら、どないする」
「っ…」
あたしがどうも出来ないことを知ってか、少し挑発するような星矢さん。
「同じシャンプーの匂いやな」
「同じやつ使ってますから…」
「そーやったな」
星矢さんの腕はあたしの体を抱きかかえるように背中へと手を回してくる。
きっと力強いんだろうなってわかる腕で、
そしてあまりにも近すぎる距離にドキッとする。
「か、からかってますか」
「バレた？」
「そんなの、すぐわかりますっ！」
「いや、きっと美園ちゃんの事やから、誰に電話してたんか気になったけど、聞けへんなぁと思うとるやろなって思ってな」
「聞いたら教えてくれるんですか」
