「んっ…」




物音がして目を覚ます。


隣のベッドに寝ていたはずの星矢さんはいない。





「星矢…さん…」



どこに行ったんだろうって思ったけど、すぐにバルコニーにいるのがわかった。



月明かりに照らされた影が、部屋の中へとはいってくる。




窓を閉めて外にいる為か、星矢さんはあたしが起きたことに気づいてない。

そしてその星矢さんは、電話をかけて誰かと話している。




電話を終えて部屋の中へと入ってくるのがわかると、あたしは寝たふりをする。



なんだか起きてたことを知られちゃいけない気がした。




でもそんなこと、星矢さんはお見通しだった。




「狸寝入りなんて、そんなアホなことする子やったんやなぁ〜」

「きゃっ」