ユウキチくんに連れてこられた所は仮眠室で、テーブルの上にランドセルが置いてあった。




「美園お姉ちゃん、勉強できる?教えてほしいんだけど」



そう言ってランドセルから小学生四年生と書かれたドリルを出してくる。



中卒だけど、さすがに小学生の問題ならわかる…。





「ユウキチくん、エラいね。お勉強するって」

「ここにいる限りはちゃんと勉強しとけって、テツマがいうから…」

「テツマさん?」

「うん。テツマも俺も、セーヤにお世話なってるから!」

「んん?」



どういうこと?


…とは聞けず、ユウキチくんは黙々とドリルに答えを書いていく。





「ここ間違ってるよ…」

「あれれ?」



勉強はするけど、どうやらユウキチくんは、頭はそこまで良くないようだ。