そして、トラジさんのバイクに乗ってたどり着いたのは、西の街の繁華街。
「ここはまだ来たことなかった?」
「はい」
「昼飯も兼ねて、なんか食べよ」
人通りの多い道だから、迷わないようにトラジさんについていく。
今までみたトラジさんとは違って、今日のトラジさんは白シャツに黒いパンツでかなりラフな格好。
印象が違いすぎて、余計に見失わないように。
「…なんか、視線感じるんだけど」
「あ、すいませんっ…」
トラジさんの背中を見ていたのに気づいたみたいで、トラジさんは後ろに振り返る。
「なんか付いてる?」
「いや、あの…。今日のトラジさん、すごく爽やかだなぁ…と、洋服が…」
「あーそれは、朝から大学行ってたからかな。大学にゴツい格好していくのはなんか違うかなって思って」
「大学?」