シンヤは親戚の目を気にして生きているあたしを救ってくれた人。
だからこそ、憎みたくても憎めない。
でもそれ以上に、怖かった。
「よう喋ってくれたな。もう大丈夫、こっちには美園ちゃんを怖がらせるような奴はおらん」
「星矢さん…」
「シンヤとかゆー名前の奴とか、簡単には忘れられてへんやろけど、今は自分のことだけ考えて」
「はい…」
「まあ、はよ寝よか。明日も早いで」
星矢さんは、あたしの話を聞いて、何を思っただろう。
あたしを重たい女だと思ったかな?
ーーー星矢さんは、あたしを捨てようとしないだろうか。
たくさんの不安だけが、頭をよぎる。