トラジさんに聞いて、星矢さんの場所を教えてもらう。


星矢さんは一人になりたい時によくいる場所。



溜まり場から少し離れた防波堤。



そこには、ひとりポツンと背を向けて座る星矢さんがいた。



あたしが近づくと、星矢さんは待ってたかのように振り向く。




「星矢さん…」

「トラジから聞いたんやろ?アイツらは俺の指示で動いたんやから、責めるなら俺を責めてええで」

「………」

「言ってたこと、ほぼ全部嘘や。美園ちゃんは簡単に流されやすくて……流されやすかったなぁ」

「………」

「俺は裏の世界の人間やから、人を騙すのが得意で、赤羽ん組の中でも、そーゆーのを専門としてるんや」

「………」

「美園ちゃんには弱みにつけ込むように、残酷なことも、残酷になるように裏工作したし。

嫌やったろ、あの男に抱かれるんわ」




星矢さんはどこまで読んでいたんだろう。



あたしがどうなるのか、結末までみていたのか。