「美園ちゃん、無事でよかった」

「トラジさん…。ご迷惑おかけしました」

「いいんだよ。そもそも"最初"に迷惑かけたの俺達だし」

「…?」

「ーートラジも、美園ちゃんも、その辺で。ちゃんと話そうや」





星矢さんはソファーに深く腰掛けると、神妙な面持ちになる。





「まず初めに謝っておく。美園ちゃん、あんたを利用させてもらった」

「………」


「トラブルメーカーが東の全面戦争を企ててたんも、その隙に西にも手を出そうとしてたんも、前から知ってた。

東都第一の事実上の代替わりがあってから、俺らも東がどうなるんか情報を張ってたんや」


「………」


「やからって、西が動くなんて事はなかった。




ーー君が、来るまでは」