「せ、いや、さん…」



ベッドに潜ると、星矢さんはあたしを抱きしめる。


ものすごく、ドキドキする。



「星矢さん、眠たいんですか…?」

「一日中寝てないんやから、しゃーないやろ。誰かさんは呑気に新幹線の中で寝てたけど」

「でも、星矢さん目を瞑ってて…」

「目を瞑ってただけや。誰に狙われるかわかんところで寝れるわけないやん」

「ご、ごめんなさ……んっ…」




ごめんなさいと言い終わる前に、口が塞がれた。




「あっ…」



息継ぎをしようと口を開けると、それはさらに深くなる。




「ちょっと黙って」



初めての感覚。


嫌な感じはしない。




星矢さんがなんでキスをするのかなんてわからない。

だけど、何故だか気持ち良くて、そのまま意識を手放していた。