新幹線の中では星矢さんが目を瞑っていたから、あたしも自然と眠ってしまっていた。



西の街に着く頃には、駅の中は通勤ラッシュの波だったけど、星矢さんは迷う事なく車の停めてある場所へと向かう。



黒いセダンに乗り込むと、そのまま発車する。




「星矢さん…」

「ん?」

「…すいません」

「ん〜。今、なんも考えたくないねん。そういうのあとでええか?」

「…はい」



少し、機嫌が悪いのだろうか。

新幹線乗るまではそんなになかったのに。


新幹線の中で、あたしなにかしちゃったのかなぁ…。


自己嫌悪になる。

星矢さんといると、どうしてもマイナスなことしか考えられなくなる。



星矢さんにとって、あたしって、何なんだろう。