「っ…!?」

「シンヤっ…」



あたしも、シンヤの彼女もきっと、シンヤが負ける姿なんて見たことがない。



だからシンヤが怪我して、血を流して、それが信じられなくて。




「こんな弱っちぃのが、東の全面戦争企てようって、よう考えたもんやな」

「だ、誰だよ、テメェ…」

「お前さんなんかに知られてたまるか」

「美園、テメェが呼んだのかよっ…!」



シンヤの目が、あたしを責める。

怒りに満ちた目。



「あたし違っ…」



シンヤの手があたしの方へ伸びてくる。




だけどその手は、あたしに届くことはなく、地面に押し付けられる。



星矢さんの足が、シンヤの手の上に。





「何言うてんねん。見る目なさすぎや」