「トラジー!連れてきたでー!」



幹部室に入ると、大きなテーブルにソファーがあり、そのソファーに一人座っていた。




「思ったよりも遅かったなセーヤ。しかもずぶ濡れだし」

「あの土砂降りの中、走ったんやで!?」

「風邪ひかないでくれよ」

「それより、あっちはどうなってん」

「面白いほどに騒ぎになってる」

「やろな。さすがに姫さんが居なくなったんやからな」






「あのっ…!」






会話していた2人が、声を出したあたしの方へ振り向く。



「あの…」



ただ、いざ視線を向けられると、何て話していいか、わからない。




「心配せんとここにおったら、あんたの身は保証されるで」

「セーヤ、そんな言い方はないだろ。まあ、とりあえずそこに座ったら?」