Mon

鼻はなんともなかったけど、鼻血が大量に出てて、頬が少し切れてた。


学校行きたくないけど、行かなきゃ。


重い腰を持ち上げ、アザを隠して玄関を出る。






今日も薄暗いな。



「あの。」



後ろから声が聞こえたとともに肩に手が置かれた。



「はい?」



振り返ると 可愛い女の子だった。



こんな子が俺に用があるって?
人違いじゃないか?





「えっと、急にすみません。」

「いえ。」




「金曜日の放課後に第二体育館の裏にいましたよね?」






ビクッ


「はい。」

「あの、そのとき…」




これって…



「これ、落としましたよね?」




俺の本。


「あ、はい。ありがとうございます。」

「いえ。」






俺のってなんで知ってんだ?
あの時、見られてた?
あ、やべ。学校…



「じゃ、じゃあ。」



行かなきゃ。



「あ、はい。」