くるっと向きを変えて下駄箱に行き靴をだすと、あれ?北川くん?って言う声が聞こえた。

その瞬間、俺の体は強張った。

そして、神田さんって好きな人いるの?ときいたら、神田さんは困ったような表情になった。

もしかして、おれが神田さんを好きって言うのばれてるのか?と焦った。

でも、モヤモヤが大き過ぎて、聞きたいことが多過ぎて俺は何にも出来なかった。

俺は神田さんに部活がんばってと告げ、水泳部へと急いだ。

はぁ、このままじゃ好き過ぎてどうにかなりそう。

そんな爆弾のような気持ちを抱えたまま部活に行くと、俺の表情に気づいたのか空川さんが話しかけてきた。

『何かあった?』

『実は、夢見くんに神田さん告白されてて…。』

『まさかおっけーしたの?』

『違う、好きな人が…要るんだって。』

『好きな人?』

空川さんは顔を歪めた。

『俺、無理なのかな?』

『でもさ、日和も北川くんのこと好きってことはないの?』

『分からないけど、ないと思う。』

分からないんだ。

神田さんの気持ちが。

だからこそ、モヤモヤするんだ。

『まぁ、今は休憩しなよ。』

『え?』

『中間テスト…、近いよ?』

中間テスト?

中間テスト…。

あっ、やべぇ!

『分かった、中間テスト終わってからまた考える!』

俺はそう言って部活が終わるまで真剣に取り組んだ。

そして家に帰って必死に勉強をして寝た。