そうして、入学式のあと自己紹介をし解散となった。
今日は部活見学。
私と祐奈と佳奈は茶華道部に入りたかった。
噂によると今日は茶道らしいから行ってみることにした。
私達は作法室を探しているんだけどなぜか見つからない。
私は勇気を出して先生に聞いて見た。
すると校舎のはなれ?らしきところにあるらしい。
私達は水泳部のほう、と言われたので歩き出した。
『ねー、もう4時45分だよ?』
『あっ、あれじゃない?』
私達は視聴覚室の隣にある小さな建物を見つけた。
私達は恐る恐るノックして見た。
すると…、
閉じられていた襖が外れるんじゃないかと言うほど大きなスパーンッッ!と言う音で開いた。
そして私達は案の定固まっていた。
私達と先輩方の重い沈黙のあと、目をつけられたのは私。
『きゃーっ!小さくて可愛い!!』
『本当だぁ、ちっちゃいね。何センチ?』
私は驚いた。
可愛い?
ないない。
『142センチ…デス。』
『えっ?142センチ!?』
『はい。』
そしてまた重い沈黙の後、先輩方に腕を3人とも掴まれ、作法室に引っ張り込まれた。
そしていきなり話された腕にびっくりしてそのまま畳に3人ともダイブした。
私は真っ先に打ったおでこを涙目になりながら押さえた。
そして手を離した先輩が『あっ、ごめんなさい!手が滑っちゃった。』と悪気もなさそうに笑いながら言った。
『笑い事じゃないですよ。』
私は擦ったであろうおでこをさすりながら立ち上がった。
『うわー、ごめんね!この人達ちょっとお転婆で。』
『まぁ、いーです。』
『良かったぁ。』
『祐奈!佳奈っ!大丈夫?』
祐奈と佳奈はどうやら鼻を打ったらしい。
鼻が真っ赤になっていた。
『ごめんね、さあ座って。』
そう言ってさっきの心配してくれた先輩が座布団を敷いてくれた。
私達はそれに座りながらお手前をぼーっと見ていた。
そして、最後にお茶とお菓子を頂いて部活終了となった。
私達が校門から外に出ようとした瞬間、
『あっ、神田さん…だよね?』
ーードキッ。
後ろから今朝の心地いい低音の声が聞こえた。
『あっ、北川くん。』
『神田さんって、茶華道部?』
『うん。』
『じゃあ、近いね。俺、水泳部。』
『そっ、そうなんだ。』
『あっ、水泳部って美香が行ったんじゃない?』
『美香って空川さん?』
『うん。』
『あー、そうなんだ。あっ、そう言えばうちの友達にちょー背が低い女の子がいるんだぁ。とか言ってたよーな。』
『やっほぉ、どーしたの?ってあれ?北川くん?』
『美香ぁ!水泳部の人にうちの友達にちょー背が低い女の子がいるんだとか言わないでよ!恥ずかしいじゃない!』
『ごめんごめん。でも可愛いから。』
『可愛くないもん!!』
私はそれだけ言って真っ赤であろう顔を両手で覆い走った。
そんな私の姿を北川くんが笑って見てたなんて私は知るよしもなかった。