矢は敵の五人の若者の右足に刺さり五人は倒れていた。


五発放った矢が全て正確に右足に刺さっていた。


今宮君はトラックからひょいっと降りると無言で皆の所に並んだ。



聞きたい事は山ほどあったが、何から聞けば良いのか分からず混乱していた。



「あいつらは、あれで動けないから大丈夫です。後は作業して下さい。僕は、少し休まないといけないので戻ります。すいません。」



今宮君はそう言うとコンビニの方向に歩き始めた。


来た時とは正反対でゆっくり疲れきったようにとぼとぼ歩いた。


橋を架けた所を今宮君がゆっくり歩いていると樋口さんが息を切らしてやって来ていた。



樋口さんは橋を渡った所で今宮君と何か話すとこちらに向かって大きな声で言った。


「今宮君を連れて帰ったら荷物を取りに私も来るから!」


そう言うと今宮君を支えるようにして二人で帰っていった。


「今宮君来た時とは別人ね。」


井上ちゃんがそう呟いた。


僕も山本さんも不可解な表情をしながら同意した。