「アキちゃん、泣かないでよ…」

キュッと車が停止して、ミチルさんは私の頭をなでてくれた。

どうやら私の家の前に着いたみたい…


それでもしばらく動けなくて…

涙だけが頬を伝う。



ハルくんの優しさを思い出したら、好きって気持ちが溢れ出て…


でも、ハルくんの顔を思い浮かべると、昨日のハルくんの怖い顔も浮かぶ。

ハルくんに、遊びだったんだろって、気持ちなんてなかったんだろって、否定されてことがつらくて…


胸がきゅっとなって、苦しくて、切なくて…


「アキちゃん」

と、やさしくミチルさんに名前を呼ばれた。