「でも、ハルくんは優しいですよ…!」

私は必死でミチルさんに訴えた。


「うん、それはわかってる。

たしかにハルくん優しいなって思うとき、私もあるもん。

でもね、それだけじゃ…」

言葉の途中でこらえきれずに笑い出すミチルさんに、ちょっとだけムッとしてしまう。


「ハルくんはっ…優しい…ですよ…」

ぽわり、ハルくんが私に優しくしてくれたことを思い出した。


「ハルくん…私にあめをくれたんです。」

「アキちゃん、犬じゃないんだから、そんなエサでつられるみたいな…」

「ほかにもっ…!

ハルくんは、ハルくんは……」