「でも一度だけ、本気でリョウにときめいたときがある」

これ、ないしょだからねってミチルさんは私にウィンクをした。


「あのときはねー、中学2年のときだったかな?

私ね、放課後の屋上に来いって一個上の先輩に呼び出されたの。」


ベタよねー、告白よ

と言ったミチルさんは、うげーっと嫌そうな顔をした。

その顔がおちゃめで、かわいくて、思わず笑ってしまう。


「でさ、その先輩っていうの私のタイプじゃなかったし、

先輩に好きだって言われたその場でソッコーお断りしたわけよ。

そしたらなんか逆上されちゃってさ、」