苦しそうな顔をするリョウさんに、私も胸が締め付けられる。


「でも、違った。やっぱり、男の俺がアイツを守ってやらないとな！」

そう言って笑ったリョウさんは、とても凛々しい顔をしていた。


「そうよ。私は話きくことならいくらだってできる。

助言とか、忠告とか、背中を押してあげることくらいなら、

クズ彼氏のリョウなんかより、私のほうがずっといいに決まってる」


ミチルさんにクズ彼氏呼ばわりされたリョウさんは、苦笑い。


「でもやっぱり…私は友達で、ある一定以上深く入りこむことはできないのよ。

それから奥の領域は、他人は許されない。

友達って、結局は他人なの。でも、…恋人は違うでしょう？」