「アキちゃん?でいいのかな。
ちゃんとお家まで送ってあげるから安心してね。」
美人なだけじゃなくて、声まで綺麗だ。
私はとっさに「ありがとうございます」と言ってぺこり、頭を軽く下げた。
「私もサトルから聞いてたけど…
アキちゃんって本当に美人さんでかわいいわね。」
「そ、そんなことないですよ…!ミチルさんこそお綺麗です!」
でも、待って、サトルって…
「ミチルの上の名前、西村っていうんだ。」
不思議そうな顔をした私に、リョウさんが教えてくれた。
その名前で思い浮かぶ人は、私にはひとりしかいない。