ミチル…?

そんなことより、私の頭のなかは軽くパニックだ。

え、え、不審車だと思ったワゴンからリョウさんが現れて、

ワゴンに乗せられて、しゅっぱーつって走り出して…


「ほんとごめんね。でも俺急いでるから俺の用事が先ね。」

私たちを乗せたワゴンは見慣れた街を過ぎ去って行く。


「そのあとでミチルにお家まで送ってもらってね。」

そう言われ、はっとして運転席のほうを見ると、バックミラー越しに運転席に座る美人さんと目が合った。