驚いて前を向くと、バックしていたワゴンは私の目の前で完全停止。

後部座席のドアが自動でゆっくりと開く。

どうやら誰かを迎えにきたっぽい。


きょろっとまわりを見ると、女子高生は驚いたようにワゴンを見つめているし、サラリーマンは…どっかに行ってしまったみたいだ。


「アキちゃん!」

え…

名前を呼ばれたのは、確かに私。

その声に聞き覚えが…


そう思ったとき、完全に開いたドアからひとりの男性が降りてきた。


「こんな暗いなか、なにやってんの!」