僕達は、いつもの仕事を終えると

家に向かった……

いつもの様に、紅葉の手料理を食べ

寝た次の日ある事が起きた…

紅葉の声が聞こえる…僕を呼んでいる?

そして、僕は目を覚ます。

紅葉の表情をみて僕は、焦った。

「蒼都!蒼都!起きて」

「どーしたんだい?そんなに慌てて…」

「ウォルが…いないの!何処探しても見当たらないの!!」

「・・・え・・・」

今まで、そんな事は一度も無かった。

僕が、高校生の時僕の両親は交通事故で早く亡くし

母方の叔母さんに世話になったその時、、、

まだ小さかったウォルに会った。

ウォルは、元は捨て犬だったんだ…

今日は、仕事は無いから1日中探した

しかし、見つからない……

僕と紅葉は、叔母さんがいる二葉病院に行った…

叔母さんにウォルのことを言うと…

「ウォルは、もういい歳だろうよ。犬って言うのは

寿命が近くなると飼い主の目の前では死なないもんよ。

部屋には…首輪はあったかい?」

そう聞いてきた叔母さんに紅葉が答えた

「はい。首輪だけが置いてありました」

「やっぱり、そうよ。」

それを聞いた僕たちは、家に帰った…

家につくと紅葉がつくったご飯を食べた

僕は…堪えてた気持ちが溢れ出した

そんな僕に紅葉は、何も言わずそっと、、、

前から抱き締めてくれた。

そんな紅葉の頬にはひと粒の涙が流れた

「私は、ウォルの代わりにはなれないかも

しれない。けど、貴方のそばに今は私がいる。

ウォルのお陰で私達は今こうしていられるの。

お願い…もう。泣かないで。蒼都。」

気付けば僕の頬にも涙が溢れていた。

それからの事はよく、覚えてない。

けど、泣き疲れた僕は寝たそうだ。   

その間、紅葉はずっとそばにいてくれた…

″紅葉。ごめんな…そして、ありがとう″

紅葉の寝顔をみながから…僕は小声で囁いた。