それから時間は早く過ぎていった
ヒロちゃんはいつの間にか髪を染めた
明るい茶髪に
そしたら耳にも穴が空いていた
ピアス穴だ。
それでもヒロちゃんは優しかった
何も知らないクラスメイトといつもどおり楽しく笑っていた。
私に対してはすれ違っても目も合わせてくれなくなったけれど
先生も事情を知っていたからあえて注意をしなかった
まるで腫れ物を扱っているようだった。
ヒロちゃんは女の人と遊ぶようになった
相手は決まって年上の人だった。
何人かなんて知らない
いつも違う女の人と腕を組んで歩いているから
もう私の知っているヒロちゃんは消えてしまった
どこにも
いなくなってしまった。
高校にあがった。
ヒロちゃんと同じ高校に行った。
そうじゃないと
もう本当に私とヒロちゃんの間には何もなくなりそうだったから
ヒロちゃんに捨てられて泣く女の人を何人も見た
だけど
一番辛かったのはヒロちゃんだ
話しかけることも出来ないけれど
せめて
ヒロちゃんを見守ってあげたい
もしヒロちゃんを傷つけるような女がまた出たら
今度はヒロちゃんを傷つけずにその女倒すから
ヒロちゃん
あなたのこと大嫌いになりたいのに
口ではいくらでも言えるのに
心の中では
ヒロちゃんを守りたいってずっと思い続けていたんだよ
バカは
私だったんだよ