彼氏の友達の恋ながらになんてドキドキする展開なんだ。
マヒロくんはその背中を見送ると平然とした顔でまたカフェに帰ってきた。
私だけじゃなくて
店内のお客さんや通行人さえもその一部始終を見てマヒロくんの姿を目で追っていた。
あれだけ目立っていたらこうなるよ
すごいなマヒロくんあんな動じないなんて。
なに食わぬ顔で席に戻ってきたマヒロくんは軽く笑った。
「見苦しいとこをお見せして申し訳ない」
「いや…、あの、すんごい勢いでひっぱたかれてたけど
大丈夫なの」
少し赤みを帯びたマヒロくんの頬
とりあえずまだ飲んでない氷水の入ったコップを差し出す。
「どーも。平気平気、慣れっこだし
結構しつこい人だったから逆に縁切れてよかった気がするし」
「あ、あんな熱いキスしたのに?
縁、切れてよかったの?」
「あーら、高橋さんちゃんと見てたんだねぇ」
ニヤニヤと机に肘をついてマシロくんが意地悪そうに笑った。
私はいやいやと首を激しくふった。
見てたけど
仕方ないじゃん
怖いもの見たさと一緒だ!