「タカのこと
誰よりも好きだからね」
「…誰よりも?」
「世界で一番大事」
「……ま、マヒロくんは…」
「マヒロも大事、だけど、
タカが特別、特別に一番大好きだ」
「な、なんで!」
「なんで…?」
キノが不思議そうに言葉を繰り返した。
「だって、タカは、
タカは俺の居場所だもん」
「………え?」
「タカがくれたんだよ」
いったい何の話をしているの。
キノは懐かしいことを思い出しているような笑いかたをすると
もう一度私を抱き寄せた。
「ここが、俺の居場所
大好きなタカの隣。」
「………そ、うですか」
「うん、ねえ、もう初めてのキス終わったんだし
これからはいつでもしていいの?」
「……そういうわけじゃないけど」
「雰囲気?」
「……まあ、それは大切だけど」
「じゃあ頑張ってキスする雰囲気作るね」
なんか…そういうんじゃないけども
まあ、いいか
悪い気なんて全然しないし
キノはずーっとニコニコしてて私はキノを直視できないでいた。
キノも照れるとかなんとかすればいいのに
「タカ、俺のこと好き?」
「え」
「好きって言ってよ」
「嫌だよ」
「タカって照れると言ってくれないよね」
「…照れてない」
「またまたー」