ずいぶんとたくさん測られたキノ

それが終わる頃には練習は終了されて


皆がいなくなった教室で

測るだけ測られたキノはなぜか不幸なオーラをまといながらしゃがみこんでいた。

人気者は辛いねまったく

人見知りのくせに女の子にモテやがって


チッ



「タカが舌打ちしたーーー」


「だってキノが最近ムカつくから」


「俺何もしてねーよ………」



人見知りからしたら辛いのだろうか。

私だったら女の子に囲まれたら嬉しいけど



「ダンス、上手くなった?」


「どうだろ、俺リズム感ねーみたいだから」



リズム感ね、

確かにキノは足元ばっかりに目がいってリズムに乗れていない気がする。



「そうだ、タカ、踊ろう」

「は?」


「ほらほら、手を出してー、腰に手を当ててー」



キノに腕を引かれて無理やり私の手を固定させるとキノは予告もなしにステップを踏み始めた。