「で、結局実際はどうなの?」
吉田さんがキノくんを見ながらたずねてきた。
「えーと、」
"付き合ってるよー!"
とか正直に言うのなんかウザくないか?
せっかく吉田さんとは少しは仲良くなれた感じだったのに
「付き合ってないの?」
「どうだろ、」
「付き合ってる、だろ」
キノが隣に来て
はっきりとそう告げると私の手を握りしめて持ち上げた。
「なっ、」
キノに持ち上げられた手にキノが唇をあてた。
え、何してんのこの人!?
外国の人みたいに軽々しくキスされた手の甲は有り得ないほど熱く感じた。
ほら、静まり返ってんじゃん教室!!
「タカがそういうなら、
これからは俺タカの前でしか脱がないことにする」
なんか誤解招く言い方だよそれ!!
私が曖昧なこと言ったせいで逆に目立ってしまった。
この状況を円満に解決するには…
「キノ、脱いで」
「え、なんで」
「いいから脱ぎなさい」
「さっきタカが"私の前以外で脱いじゃイヤン"って言ったじゃん」
「言ってないし!!ニュアンス違うし!!
衣装班の皆さんどうぞ脱がしてやってください!!」
どーぞ!と言いながらキノを指差すと衣装班の女の子たちがまたキノに群がって、キノは「え、え、なんでっ」とか言いながら
もみくちゃにされていった。