「…高橋さん?」


「あ、ごめんなさい」


「いいよ、ちょっと休憩しましょ。
他の女子も全然練習してないし」


回りをよく見てみると
皆の目はキノの方を向いていた。

何をこんなに釘付けになる必要があるんだろ。


そう思い、キノに目を戻してみると



「き、キノっ!?」


その場で黒の半袖を脱いでいる途中だった。

胸まで上がる前に私はとっさにキノのもとに駆け寄ると脱ぐのを阻止するように服をつかんでしまった。



「タカ?」


「な、なんで、脱ごうと…」


「寸法取りたいって、言われたから」


「そんな皆の前でぬがないでよ!」



恥ずかしいとかそういう気持ちないんですか!?

キノは首を傾げてとりあえずTシャツをもとの状態に着た。



「別にいいじゃんね?ここで寸法取ったって?」


「高橋さんは練習しといてね」


「早く早く脱いでー」



女の子たちが騒ぎ始めて私はぎょっとした。

キノの体になんの需要があるというの!?

こ、こんなの見たって腹のたしにも…ならないわ!