「私と、エリちゃんと、マヒロくんとアザミくんも最初いたよ。
だけど、キノが……えと、色々と出会い頭の反応が思ってたのと違ったから…

私以外は皆帰っちゃって、
私が皆の手紙を預かっているんだけど、はい、これ皆からの手紙」

「どうも…じゃなくて、………おかしいって。なんで今さらまた…会いに来るわけ……」


本当に、タカなんだ。

本当に、会いに来てくれたんだ。


嬉しい。

嬉しいけど、俺、どうしたらいいのかわからないよ。


こうやって会っても、
俺は、何も言えないのに。


「キノと別れてから、ずーーーーっと考えてた。
真さんに、キノの昔の話聞いたし、アザミくんに、タカラさんのことも聞いた。

キノが、どれだけタカラさんを大切に思ってるか知ってるよ。
代わりがいないってことも知ってる。


私は、そういうとこにつけこんで一緒に居たんだよ。ひどいでしょ?


それで、キノに、キノの本当の気持ちを伝えられて、
私、キノのこと嫌いになれたらよかったのに、

どうしても、嫌いになれなかった。


私、キノが好き。
これからもずーーーーっと好き。

まあ、いつまで好きでいられるか分かんないけどさ、
この気持ちが続く限りずっと、変わらないよ。


別に気持ちに応えて欲しくて来たわけじゃないの。
あんな別れかたで、私は、私の気持ちにけじめをつけたかったから」



そう言うタカは、とても眩しかった。

まるで、花みたいだった。



強くて、綺麗で、凛々しくて、




タカは、
やっぱり、すごいな、


すごいね。


ほんとに、



すごいよ。








「キノ、今、ちゃんと幸せ?」

「うん」

タカが居たら、もっと幸せだったかもね。



「じゃあ、よかった」



にこっと微笑んだタカは、
相変わらず、可愛かった。

今さら、また、あのときの感覚を思い出した。








俺は、

ずっと、

嘘なんてついていなかったんだ。





いつでも、




彼女の前では、

俺は、ただの恋するただの一人の人間だったんだ。








ねえ、タカ。


タカは気づいてた?








俺はね、








俺はタカのことを








世界で一番愛していたんだよ。