「フーちゃーん‼」


年が明けて、元旦。
まだ寒いのにエリちゃんは肩を出した可愛らしい格好で私に手を振っていた。


「エリちゃん、あけましておめでとう。」

「おめでとう~!」


にっこり笑うエリちゃんは本当に楽しい!って感じが伝わってきてつられて笑顔にならざるおえない。


「ヒロちゃんね、寝坊して遅いから置いて来ちゃったんだ。先行こっか」

「めずらしいね」


元旦から寝坊。

まるでどこかの誰かさんがやるみたいだ。



…なんて

考えるのはもうそろそろやめないと。
いい加減引きずるのも大概にしとかないとな。


「晴れてよかったねー」

「そうだね」



最近の天気は結構悪かったから
こんなに青空が見えるのはひさしぶりだったりする。

エリちゃんは私の少し前を歩いて、私はついていく。

ときどき振り返って歩幅を合わせてくれるエリちゃんは果てしなくいい子だ。


神社に近づくにつれ人が多くなってきている。


私とエリちゃんは離れないようにお互いを確認しながら神社の入り口に足を踏み入れた。