私が反対側の道につく頃には赤信号に変わっていて
一度だけ振り向くと

キノは同じ場所で立ち尽くしたままこちらを見ていた。


ばかたれ、と低い声で言い捨てて

私はもう一度背を向けた。



終わりかもしれない



どうしよう



こんなはずじゃなかった



だって、少しは、少しは、キノだって私のこと、好きじゃないかなって思っていたのに



はっきりと

タカラを好きだと言われたら、どうしようもない。



その上どうしたい?なんて、わけがわからない。

好きな人いるからって彼女に言っといてどうしたい?なんて普通聞かない。



はっきりしてよ。



突き放すなら突き放してよ。



どっちつかずが一番

むかつくんだから。




でも、そういえば
タカラはもういないんだったね。



本当に

どうしようもない。





処理しきれない。

わけわからない。





なんなのよ




なんでこんな気持ちになんなきゃいけないの…


情けない。



バカ


バカ




バカキノ…