「アザミくん」
「ん?」
「私、家に帰ったらもう一度映画を見てみるよ」
「…そっか」
「それで、もう一回考えて、そしたらまたアザミくんに教えてって言う」
「うん、わかった」
アザミくんは頷きながらそう言った。
そのあと、なぜか学年全員でラジオ体操して、テントを片して、
キャンプ場を出た。
駐車場にはすでにバスが待っていて班で固まってバスに乗り込んだ。
そのあと班ごとに事前に決めた植物園か博物館のどちらかに行く。
私たちの班は植物園に行った。
本当は博物館に行きたかったけど、じゃんけんに負けたのだ。
小さな植物園で、また興味のない植物の話を長々と聞かされ気が滅入りそうになってしまう。
騒ぐこともなく、事後レポートをかけるようにとにかくメモをした。
キノの班は博物館に行ったのだろうか。姿が見当たらなかった。
班ごとに近くの食堂で昼御飯を食べたあと
植物園へ行った班はまたバスに乗って走り出した。
今日の予定はこれにて終了。
バスが休憩所で止まり、私は少し固まった体をほぐすように伸ばした。
あとはずっと座っていれば学校につく。ああ、体がだるい。
皆トイレに行ったのか飲み物を買いに行ったのか、中はがらんとしていた。
まあ、植物園組は二班しかいなくてバスの中はかなりがらがらだ。
こんなことなら全員博物館に行くようにすればよかったのに。