寝起きは不思議な気分だった。
いつもと違う景色がそこにあって、ああ、今キャンプしてるんだ、そう思った。
そして、激しい喉の痛み。これは完全に風邪だ。
まだ、4時半か。
当たり前だけどだれも起きていない。
すっかり目が覚めた私は二度寝する気にもなれずそっとテントの外に出てみた。
霧が一面に漂っていて身震いした。
まだ辺りは暗い。
湿った地面を踏みながらあてもなく歩いてみる。
なんか、私誰かに見られたら変な人だな。
朝はもう少しで来るのだろうか。
家にいても最近じゃ5時でも暗いしな。
私、なにやってんだろ。
はーっと息を吐き出すと白いもやもやが宙に浮いた。
寒い寒い
風邪がもっとひどくなる前にはやくテントに戻って、仕方ないけど二度寝しよう。
両手を擦り合わせてテントに戻ろうとした。
ガサガサッ