「フユも、あいつが好きなわけ」


「………」


なるほど

そういう考えにいきつくわけだ。


間違ってはいないけれど


…なんて答えよう?



「あーわり、女子に軽々しく聞くことじゃねーな
まして会って二日目で」


「いや、」



ショートホームルームが終わり、一時間目の5分前の鐘がなる。

次の授業はすぐだからみんな準備のためいそいそと動いている。


私も準備をしなくては。


そうして今まで空白だった隣にアザミくんがやってきてちょっとだけ違和感のある生活が始まった。


アザミくんは昨日の印象とうって変わって誰にでも笑顔を振り撒いて、面白いこと言ったりしてあっという間に彼の回りに人が集まった。


わいわいうるさい隣と

キノの回りに集まる女の子

どちらもいい勝負だ。


アザミくんはなんだか近づきやすくて接しやすい雰囲気がみんなを寄せ付けている印象だった。


そういう点では
マヒロくんは女の子には紳士で普通の男子から見たらちょっと近寄りたくない感じがあるのかもしれない。

アザミくんは

男子とも気兼ねなくうまくやってる。


「フユ、」


そんな人気ならわざわざ話してくれなくたっていいのに
アザミくんはよく話しかけてくれた。

本当に誰にでも話す人だこの人。



「なに」


「フユって彼氏いんの」



まって今食事中。