確証はないけれど
私は携帯を取りだしキノに電話をかけてみた。
三度目のコールを聞いて屋上へと足を進めた。
三階からもう一つ上の階へ繋がる階段。
その先には屋上の扉があり
扉には"休憩所"という張り紙が貼られている。
電話は相変わらず一定の音が耳に響く。
ドアノブに手をかける。
ガチャリと音を立てて
ドアは奥へ開いた。
その瞬間びゅうっと風が吹き抜けた。
青空が広がっていた。
雲が近かった。
私の耳に響く音と連動して
屋上に響く音。
その音源を握りしめながらフェンスから空を眺める人がいる。
私は下唇を噛み締めた。