急いで家に戻り靴を脱ぎ、お母さんを探す。


案の定お母さんはお風呂場にしゃがみこんでいて

その先には白い毛玉ちゃんが…大輝ちゃんが、お母さんの言ったとおりへちょーってうなだれている。


見るからに元気が無さそうだ。



「冬ちゃ〜んっ

どうしましょ〜」


「泣かないでってとりあえず大輝ちゃんのベッドまでつれてこ?」



大輝ちゃんに触れようとすると
大輝ちゃんが急に変な嗚咽を漏らしながら何かを吐き出した。


お母さんがショッキングな映像を見たときのようにヒステリックな声をあげて口を手で塞いだ。


吐き出したあと
大輝ちゃんは私の足元に甘えるように擦りよってきたので腕に抱き抱え、しゃがみ、大輝ちゃんの吐いたものを見つめる。


なぜか
嘔吐物が動いている。



「いやぁあああ」


「お母さんうるさいよ、これ、バッタじゃない?」



急に跳びはねたバッタに私とお母さんが距離をとるように引き下がった。


大輝ちゃんは私の腕から抜け出すとバッタにじゃれ始めようとしたので私は急いでまた抱き抱える。



もしかして

獲物を見せようとしたのだろうか。