まぁ、そんなこと俺がするはずもなく。
翔の事思ったら、できないよ。
「今更聞くのもあれだけど、広樹くんはなんの仕事をしてるの?」
ユリが笑顔のまま聞く。
「教師だよ。高校の。」
「へぇ〜!ってことは、頭いいんだ?!」
「んー。翔よりは良いかな。(笑)」
「あははっ。翔は本当にばかだよー。」
ばかだよ。そう言う君の言葉から
本当に翔を愛してるんだなぁと感じる。
「あっ!広樹くん。教師なら翔と私の子供に勉強教えてねっ。」
あぁ。君は翔との未来をそこまで考えてるんだな。
「いいよ。翔は教えられないもんな(笑)」
翔とユリの隙間に俺は入れないんだな
というか、隙間なんて無いだろう。
「んじゃ。帰るね。今日はありがとうね」
「んーん!こちらこそ来てくれてありがとう!」
これ以上ユリを好きになってしまいそうで怖くてできるだけユリを見ないで玄関へ行く。
「じゃあね!」
じゃあね。そう言う君はきっとすごく可愛い笑顔をしているんだろうな。
見ない。見たら欲しくなってしまう。
「んじゃ。」
ドアが閉まっていく。
あぁ...。
もう、会えないのか...。