中学校生活にもなれ始めたつまらない平凡な毎日。そんな日々を繰り返すだけの日常に、面白い話題が舞い降りてきた。

「先輩!バンドやってみません?!」

目をキラキラさせてやってきた親友のさゆ。何週間かぶりに話しかけてきたかと思ったらこれだ。
「あたし、先輩でもないし、久しぶりに話して、でも確かにバンドはやってみたい気もするよ。」
「やってみたいんですか?!やっぱり?こんなところでツンデレ発揮しないでくださいよ。」
頬杖ついて、顔もみずテキトーに答えたあたしに未だにキラキラしてるこの方は一体どれだけマイペースなのだか....そんなこと考えてる間に「じゃあ、またきます!」と、どっかに消えた。
さゆは最近明るくなった。ってゆーのも、小学校の頃より。
あの頃は、あたしにへばりついてきたし、別に嫌いじゃなかったからいつも一緒にいた。なんでコイツが人見知りだからってあまり絡まれないのかわかんないくらい面白いやつだった。だからこそ、いまのさゆになって、すごい嬉しい自分がいる。

授業開始のチャイムー。
いつもの如く受けてるフリで落書きのようなまとまりのない歌詞たちを書きためる。
「バンドか....」
小さな頃から歌を歌うこと、奏でること、音楽に触れてることが何よりも好きだった。