「んで、何の用?」
一様これ聞いてあげるアタシ。
偉いと思うわ。
「いやぁ、おふくろいねぇから
菜央が寂しがってんじゃないかと思ってさぁ」
「菜央が寂しがる??馬鹿言わないでよね」
別に寂しいとか思わないし、
…ちょっと夜不安だなって思っただけだし。
「顔に書いてるぜ?
『洋ちゃんがいないと寂しい〜』って」
「は、キモ。そんなこと思ってないし!
もう帰ってよ!!」
すると、突然立ち上がるアイツ。
え、何かこっち寄って来てない…?
「な、何よ……」
アタシの目の前まで詰め寄って来て
顎をくいっと上げられる。
「本当に、帰っていいわけ?」
アタシを見下げる顔は真剣そのもので
目が、そらせない。