「美味しいですよ、
このイチゴきな粉味!」
「なんだその甘ったるいのは。
団子と言えば、みたらしだろう。」
全力で拒否反応をしている顔で私を見ている狐さん。
いや、それはそれは酷いお顔で・・・。
「朱里、お前今、
俺に対して失礼なこと思ってるだろ。」
「あ、バレます?」
「バレバレだ。」
ふっと笑いながら、団子を頬張る狐さんが可愛らしく思えた。


「ふー、美味しかったですね。」
「あぁ。」
「また・・・来ましょうね?」
「あぁ。」
短いその返事で、
凄く胸が温かくなった。


帰りの電車の中、
電車に揺られていた私は、
いつの間にか眠りに落ちていた。
「朱里・・・?」
上から狐さんの声が聞こえた。
どうして上から、とか。
そんなことは気にならなくて。
それも聞こえない程に、
私は夢の世界に落ちていた。