「それが話したかったこと♪聞いてくれてありがとう」


涙をこらえるために、わざと明るく振る舞う。ライウの顔は前髪に隠れて見えない。次の瞬間、


ギュッ


ライウが立ち上がって、あたしを強く抱きしめた。目の前に広がるライウのシャツ。


ドキン、ドキン……


自分の心臓の音がライウに聞こえていないか、気になってしょうがない。


「小雨……」


ライウが耳元で甘くささやく。


「よく頑張って来たね。お疲れ」