「それ……本当の話?」


目からどんどん涙が溢れてくる。ライウの目からも涙が流れているように見える。


「だから……次の主人の事だけは絶対に守りたかった。僕、犬だったからなんにも出来なかった」


気がつくとあたしはライウをギュッと抱きしめていた。


「頑張ったね、話してくれてありがとう」


ライウの体がブルッと震えた。それからライウは顔をあたしの胸にうずめて、


「ありがとう、聞いてもらえて楽になった。小雨が僕の主人でよかった……」


顔をあげたライウ。その顔は、とても晴れ晴れした顔をしていた。