「……ぁ」
問題を見て思わず小さく声が出た。
見せてもらったところが結構出ていてさすがにびっくりした。
ありがとう、と心の中で感謝しながら問題を解いていった。
「終了〜」
十数分後、先生が手を叩いてテストの終了を告げる。
テストが回収されていく。
「斎藤、できたか?」
「ぅん、優耶クンのおかげでバッチリだよ」
「よかった」
テストを回収しつつ小声で声をかけられて笑顔で答えた。
「藤沢クン、ありがとぉ」
「仲本サンもできたならよかった」
朔のテストを受け取りながら安心したような笑顔を向けた。
ホントに優しいなぁ、なんて思いながら藤沢クンの背中をぼんやり見つめた。