「ありがとう、藤沢クン」 もう一度お礼を言って頭を下げた。 「いや、俺はなにも」 「じゃあ、そろそろ帰るね。また明日…ばいばい」 「あ、あぁ…また明日、な」 私は、軽く手を振り歩き出した。 なんだか足取りは軽く感じられた。 きっと藤沢クンに話したからだろう。 彼は私が見えなくなるまで見つめていた。